いつも同じような時間のバスに文字通り飛び乗る。
出発前のバスに空いている席はほとんどなく、空いているとしたら大概1番後ろの席
降りるとき隣に人がいるとすんなり降りられない厄介な席。
今日はそんな厄介な席に座りぼんやりと真っ暗な街道を眺めながら
現状の自分を、これからどうなってしまうのか考えていた。


多分もううまくはいかないってコトだけはわかる。
悲観的ではなく窓ガラスに映る薄い自分がそれ以外言えないっていう顔をしていた。


ダレカが停車ブザーを押すたびに、乗り過ごさないように我に返る。


バスを降りてトボトボ歩いていたら
狸らしき影を見て
見上げたら月の傘の大きさに驚く。


大きな傘をまとったわずかに霞んだ月はまるで黄金の月のように見えた。。