忘れたんだ もう

いつもは乗るコトのない路線を使い、おばあ様のお墓へ。

だだっ広い敷地に墓石、小さい塔、水の無い池があるこの場所は
埃と色の少なさが余計に寂しさを浮き上がらせ
回るコトを止めた風見鶏を連想させる。


少し掃除をしながら、おばあ様のコトを思い出していたけれど
イントネーションや話すスピードは思い出せるのに声が思い出せない。


忘れてしまった。


ため息とともに物悲しさがココロを染めていくが

流れ落ちた汗が
夏の日差しが
その色に染まるコトを許さなかった。。