残像 手のひらの上の世界
おばあ様のお墓へ。
時折鼻をさす線香のあの独特なニオイが風に流されてくるあの場所。
干からびたように白い石
水をかけると石が光るように変わり
ボクはずっとそうなっていて欲しくて何度も水をかけた。
声は出さない
照らしていたのは太陽だけ。
帰り道
なぜかおばあ様が最後にいた場所に行きたくなり、寄り道がてら電車に乗り込んだ。
たまにしか会いに行けなかったけれどなんだかもの凄い懐かしい場所になっていたお花茶屋。
しばらく歩いていたら泣きそうになり
足が止まるんだ。
帰る時
もうここには知り合いはいないと思うと
自分の世界が小さくなってきていると感じた。。