午後の憂鬱

天気予報どおり昼過ぎから空色が悪くなり、ぽつぽつと雨粒が落ちてきた日曜日。
ボクは平日の夜のためにホワイトソース、ミートソース、
そして今日の晩御飯のためにミネストローネを作っていた。
煮込んでいるあいだ、ボクはスツールに座り
読みかけの、何度も読んでいる本に目を向けていたけれど
しばらくすると文字を追うのを忘れて
また身にふりかかってきたモノのコトについて考えていた。

未来に希望が持てない時
人はよく昔を振り返ると誰かが言っていたような気がする。


どんなことが襲ってきても
社会的に死にそうになっても逃げずに戦うべきだった。
紡いだ糸を断ち切るべきではなかった。
あの時捨てたモノ以上のナニカをいまだに見つけていないし
もしかしたらそんなモノは無いのかもしれないけれど
あれから「見つけたモノ」を数えるようになった。


あの人が暗雲の中にいたボクを引っ張りあげてくれたけれど
しばらくして自分勝手でワガママな行動であの人の手をも離してしまった。
残ったのはコトバだけ
今となっては声すら思い出せない。


あの人は言った。
「変わる事は出来る。でもその状態を維持していくのは難しいんだ」


本当にそのとおりだと思うし
その努力が出来なくなりあっさりとボクは以前の自分に戻り今こうして過ごしているのが何よりも物語っている。


悲劇のヒーローぶっているのは知っている。
ダレカの代わりにしかなれないのも知っている。
全く関係ないのに色々くっつけて捨ててしまっているのも知っている。


・・・


そんなコトばかり考えていたからか
少し煮詰めすぎてて味が濃くなってしまったよ。

キッチンに長い間いると
良くも悪くも色々考えてしまう。。