コトバの花火が上がった

カウンターを油が支配しているような
昔ながらの中華料理店で
油淋鶏と瓶ビールでゆっくりとボーっとしていたら

後ろの方から誰かがダレかに愛を確かめるような言葉が聞こえた。



はっとした。



完全にボクに向けて言ったわけではないのに
ある種のコトバは空間に溶けて無くならない。


中華料理店に
音のない花火が上がった。

八月の週末に遠くの方にわずかに見えた花火のように
ココロがふんわり宙に浮いた。。