胸に咲いた黄色い花

今年は花を贈ることをしなかった。
・・・というか出来なかったというか、贈るべきではないというのが一番。
あの人にもあの子におばあさまにも。


なので少し昔話を・・・



10年以上も昔
冷たい風と波が白い断崖を作り上げる土地で知り合った一歳上のイタリア人から教えてもらった。
何を話していて、この話題になったのかはもう忘れてしまったけれど
きっかけはこんな感じだったと思う。

「おまえは花を誰にもあげたことないのか?」
と彼に言われ
「うん」
と答えると、彼は「ママにミモザもあげたことないか?」


・・・

初めてミモザの日を知った年

彼と彼のお父さんとボクで抱えきれないほどのミモザの花束を買って
街の広場でまさに手当たり次第女の人にミモザの花を渡していった。

両手いっぱい抱えて持った黄色い花束
目の前が黄色いミモザに埋め尽くされ
ミモザ越しに映る岩畳の道や古い建物


抱えていた黄色い絨毯が一本一本減っていくけれど
それと引き替えに笑顔とありがとうのコトバが増えていくたびに
わぁ〜幸せだな・・・なんて思った。



そして3年後
この昔話を南の島にいたとき
ボクに名前をくれた友に話したら
彼がブローチを作ってくれた。



すべてがつながっている。。