暮れる夏 乗り移る夏
連日続く残暑に爽やかな風が吹きつけて
30度越えとは思えなくて
ちょっとだけ太陽の位置が違うだけで
ここまで体感的に違うんだなぁと考えると
ボク達の生活は自然の上に成り立っているコトを再認識させられる。
駅周辺を歩く人々の何人かの足元にはもう秋が来ていて
それらをじっと見ていたら
自分の手のひらはどうなってたっけ?と思い改めて見たら
少しずつだけれど、皮が向け始めていた。
身体の中ではしっかりと秋が来ているコトをちゃんと知っていて
しかもしっかりと準備までしていた。
かすかに感じる汗のニオイがする皮膚の下で
秋の準備をしているボクの体内。
そんなコトを考えながら
久しぶりにポケットの中に手をやると
入れっぱなしだったリップスティックがあった。
冬より夏のほうが乾燥するってどこからか聞いて入れたのだろう。
リップを唇にやるが
触れただけでグニャりと崩れた。
夏の暑さがモノに宿り
くすぶっていた。。