遠くの友

鍵を開けてドアを開ける前、雨粒を払うために
コンクリートの大地にビニール傘の先でノックをする。

雨の日に必ず行う、家に入る前の儀式みたいなモノだ


ドアの内側にあるポストの中に一通の封書
見たことのない切手とairmailの文字
そんなモノを見なくても纏うニオイ
手触りで日々さわっているモノとは違うということが微かにわかる。


中には一枚の写真
昔の友から文字のない便り。


ここはどこだろうか?そのヒントすらない。
「ここは○○です」くらい書いてほしいとは思うけれど


彼らしくてにやけてしまう。


想像して創造する。
少しこの作業を怠っていたように思えた。