アーモンドが香る甘いお菓子

海沿いの道から2ブロック奥に入った場所にある建物から
ボクの部屋にメールが届いた。

メールを開き
画面を見て、「文字化け?」かと思ってしまうほど
ボクはフランス語を忘れている
・・・というかあの頃もいつも最下位でだったけど・・

いつも英語だったおばさんのメール
なぜ今回フランス語で書いたかという理由が冒頭に書いてあった。


「フランス語は上手くなりましたか?」


誰しもが生きていれば何かしら成長というモノをしているけれど
おばさんが想像していた「成長」と 
ボクの「成長」はかみ合っていなかったと言うことが少しだけ?理解できた。


・・・
ガレット・デ・ロワはたべましたか?
今年は作らずにお店で買って、おばさんのいとこが王冠を引いて大騒ぎ
・・・

そう
昨日はあの甘くて美味しいアーモンドのお菓子を食べる日だった。

ボクはおばさんと二回、厳密には一回(一回は切り分けたモノを持ってきてくれた)
あの甘いアーモンドのお菓子を一緒に作った事がある。

とても広いキッチンで午後の学校が終わった後
オーブンを温めて
生地を練って
最後にボクをキッチンから追い出して
ちっちゃな陶器の人形をおばさんがそっと入れる。



ボクもいつか誰かと一緒に
あのわくわくするようなお菓子作りをするのだろうか?


ボクが昔想像していた「成長」と今の現実は違いすぎるように思えた。
また、ボクはダレカに操縦桿を握られていると
あのとき食べたあのアーモンドのお菓子が
また再認識させてくれた気がする。。