抜歯

「雨鳥さん、親知らず抜いちゃおっか?」
との軽〜い声にあっさりと
「いいっすよ」と心地よいとも呼べるリズムを作り出してしまった。


あっというまに抜けた最後の親知らず


まだかすかに麻酔が聞いているけれど
麻酔とは違う違和感
今まであったモノが無くなったという空虚。
雨粒が降り尽くした雨雲のようなモノかも知れない。


バス降りたら雨雲のない夜空に黒い傘を差して
家まで帰ろう
ガーゼを噛みながら・・・。。