旅立つ奴に言葉はいらない。

20の頃出会ったボクらの第一印象は最悪で、彼はボクのことを『タイヤ』と呼び
それを聞いたボクは彼のことを心の中で『枝』と呼んだ。
そんな形で出会い、それからボクが南の島で過ごさなくてはいけなくなってから目をあわせて会話することがなくなり
今ではもうほとんど使っていないhotmailで大まかな変化を思い出したときにだけ伝えあっていた。
そんな彼が南半球に永住を決め、明日成田から旅立つ

さっき電話で話して
彼はボクにこう言った。


『今は許せても、いつかは俺のこと憎むようになる
 でもな、それまでは俺たちは同じ言葉を使って話そうな』


ぐっときた
それと同時に彼の捨て台詞のようにも聞こえた。
ボク達は会って話していてもメールの時も、電話していても背中合わせで
初めて会った時からまるで変わっていないように思えた。



電話を切ってから内なるジュークボックスから流れる曲は


globeのprecious memories