元、元幸運のコインの持ち主

海の向こうから電話
ボクに幸運のコインをくれた人が星になってしまった。
記憶が記録になってしまった気がして言葉を失ってしまったよ


もう10年以上の前
よく二人でサッカー中継をミルクティーを飲みながら過ごしてた。
その時彼はいつも1枚のコインを握ってた


『このコインは幸せを運んでくるんじゃぁなくて、幸運と友達なんだよ』と。


ボクが帰国するとき
彼は大事なそのコインをボクにくれた。
手渡された時なにか彼は大事なことを言っていたが、今となっては思い出せない。
See u again』だけ覚えている。


今ボクの手元にその『幸運のコイン』は無い
大事なあの人に渡した 暑かった2005年の夏。

ボク自身に幸運が訪れるよりあの人に訪れて欲しいと思ったから渡したんだ
ボクにコインをくれた彼もそんな気持ちだったんだろうか?

コインが今でもあの人に幸運と呼べるナニカを引き寄せていて
周りの人よりも『幸運』と友達になっていてほしい
あの人には一生持っていて欲しいと思っているんだ。
・・・と言ってもこのコトバは届かないだろうから、独り言のようなものなんだろうな。


くすぶる本能が、忘却の海に漕ぎ出していた記憶の船を救出する
まるで誰かと手を繋ぐようにそっと、静かに、優しく、温かく。。