まぶたの裏でおば様の手を握る

49日経った。


ふとしたコトでおば様の影を感じていた。
もちろん霊的なものではなく、ただ思い出す機会が多いというコトだけれど。

悲しみが増えていく時には
カズオ・イシグロの言葉を思い出し、ひとまず棚上げする。


ダレもが持ち合わせているモノで
不意に訪れる、逃れられない物事に立ち向かう為
この力強いコトバを飲み込む。

「記憶というモノは死に対しての部分的勝利だ」


血の繋がりがなくとも
それと同じくらい、それ以上の繋がりを紡ぎ出すコトが出来る。


血の繋がりがあるというだけで
対話をしなくても繋がりあえるだなんてあり得ない。

あり得ないからこそ
これからもボクはできるだけ聞いて
ほんの少しでも理解したい。



おばあ様と
おば様と
あの人としたように。。