耳から伝わった時間 (29th/Nov./2010)

実際になった事
引き延ばしていた食事の約束をとりつけるが
結局予定が合わず延期

秋が短く終わり、長く寒い冬が首筋を撫でる。
コートの絵里を出来るだけ高くのばし、冬の手のひらを避けようとする
11月の終わりが近い月曜

黄色い秋の残骸を踏みしめながら
僕はずっと延期にしていた食事の約束を果たすため
友に電話を入れた。

・・・
コール音が耳元で鳴り響く
8,9,10,11・・・
この長さがおざなりにしていた月日を物語っているように感じた矢先
「ただいま電話に出ることが・・・」
という機械音が飛び込んできた。


僕は我に返り
また電話するよと伝言を残し通話終了のボタンを押す。
カレが出るまでの規則正しい電子音が
時間の経過を如実に、誠実に僕を叩きのめした。


僕は携帯をしまい
黄色いジュータンの上をとぼとぼと歩き出した。。