渡り鳥が止まる瞬間 17th/Dec,/2008

実際に選択したこと

まだ首、背中の調子が良くないので知り合いの誘いをお断りした。

昨日の夜から朝まで聞こえていた雨樋をうつ雨音が
昼前には誰かの持つ傘に当たる音に変わっていく。
改札を抜けてからボクはすぐに足を止めた。

スクランブル交差点の前
週末でも無いのにこの人出はココでは当たり前の光景で
様々な人が一斉に立ち止まる光景の中ボクはその一部となる。


信号待ちをしている人はいったい何を考えているのだろうか?
今日の夕食のこと?
これから会う人のこと?
・・・もしかしたら何も考えていないのかも知れない
ただただ赤い灯りとタイヤの音が消えるのを
じっと待っているだけかも知れない。

何車線もあるこの道路はまるで河のようで
対岸にいる人の顔は大概ぼやけていて、曇りガラス越しに映るマネキンのようなモノだ。
もちろん、向こう側から見たら僕の顔も霧のかかったように見えているのだろうな

・・・

いつの間にか信号は青になり、ゆっくりと人々が歩き始めた。
この交差点を渡りきれば、ぼやけていた顔も
黒いペンで書かれたような輪郭のある顔に戻ると想像しながら
僕は少し早歩きで知人の家へと急いだ。。