美味しいモノが呼ぶモノ(11th/september/2008)

現実に選択したこと
2時前に立ち寄った洋食屋でカレーを食べたかったけれどカツサンドを頼む。
ある人に想像できなかったカレーのレシピを教えてもらった。


8月の日差しには到底及ばないが
未だに日差しを顔に受けるとじりじりとまだやけそうな熱線が降り注ぐ。
品物をとりに伺うため、ボクは滅多に乗らない路線の電車に乗り
日差しがたっぷりと注ぐこの場所にいる。
しばらく歩けば隅田川が奏でる水の音を聞くことが出来るこの場所を
世間では「下町」と呼んでおり、もちろんボクもそう呼んでいる。

お昼をずいぶんと経ち、おなかが減ったので休憩がてら近くの洋食屋に立ち寄ることにした。
店の中は1時間前ほどのランチ客の余韻のようなあたたかい空気が漂っていて
そのニオイをかいだとたん、風船が一気にふくらむように
空腹感が増した。

空腹感の増したボクに「パン」という選択肢はなく
ご飯モノしか目に映らない。
美味しそうなカレーを注文する。

しばらくすると、ニオイと共にものすごく美味しそうな色をしたカレーが目の前に置かれた。


・・・うまいの一言だった。


会計の時、カレーの美味しい作り方を聞いてみた
おじさんは笑いながらごまかしたが
そっと一つだけポイントを教えてくれた。

耳元でかすかに空気を響かせた言葉が頭の中で大きくなり
新しい、違ったスタンスで料理を作りたくなってしまうほどの衝撃だった

思っても見ない方法を知り、それを探求すれば新しいモノが見える。
それを料理を媒介としておじさんに教えてもらった気がする。
ボクはバックから手帳を取り出して
次にこの店にいつ来れるかを確認してから
おじさんに「また来ます」と言ってからそっと店のドアを開けた。。